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2024/07/07 05:53

ワインをセレクトする際の哲学、また当社で取り扱っている生産者「シャスネ・ダルス」について伺ってきました。
アルノー・ポラン氏について
数多くのフランスワインを日本に紹介し続けてきたアルノー・ポラン氏(以下、アルノー氏)。日本市場には、なんと20年以上携わっているようです。

「私と日本の関係は『ポメリージャパン』から始まっています。その後、『CVBG』というボルドーのネゴシアン、シャンパーニュのメゾンなどを通じて日本にワインを紹介してきました。現在もフランスから日本市場のためにワインのセレクション、エクスポート戦略などを手掛けています。」
古くから日本市場を知るアルノー氏。
じつはアートクリエイティブビジネスサポート(以下、アートビズ)の社長である早水氏とは、ポメリージャパン時代からの付き合いだったそうです。
「彼に声をかけられ、現在アートビズの一部のワインのセレクションを行なっています。ワインは、シャンパーニュは『シャスネ・ダルス』、コート・デュ・ローヌは『ニュー・ローヌ・ミレジメ』、ロワールのソーミュールの『ドメーヌ・レヴロン・エ・ヴァンサノ』の三種類。そして、コニャックは『テスロン』を紹介しました。」
日本での市場をつくるためのプロモーション企画など、深くアートビズに携わっているアルノー氏。日本住んでいた期間も長く、現在も年に3、4回は日本を訪れるなど日本市場の“今”を鋭くチェックしているようです。
アルノー氏は、アートビズが取り扱うワインのラインナップの骨格を担う縁の下の力持ちといったところでしょうか。
セレクションの哲学

アルノー氏のワインセレクションは秀逸です。
いったいどのような哲学を持ってセレクションをしているのでしょうか。
「日本市場の特徴に合うもの。これを大切にしています。中でも私が重要視しているのは、“コストパフォーマンス”ですね。」とアルノー氏。
さらに古い歴史があり、生産体制がしっかりと整っており、フランスはもちろん国際的にも評価が高いことも重要にしているのだそうです。
「小規模生産者も素晴らしいワインを造りますが、生産量が少な過ぎてはビジネスになりません。そのため、安定した生産量を持っている生産者を紹介するようにしています。歴史、品質、供給量。全部まとめて、“安定”していることが重要なのです。」
中にはマニアックであればあるほど良い…という意味でお宝級の生産量しか造っていない生産者を紹介する方もいますが、アルノーさんの考え方は違います。
歴史と品質の確か、そして“飲みたい”と思った時に安定して手に入る規模感。
日本市場に長く携わっているからこそ、“自分本位”ではなく“正しいビジネス”としてワインをセレクションしていることがこのお話から強く伝わってきました。
シャスネ・ダルス
アルノー氏がアートビズでセレクションしている生産者は全部で4社。その中で今回はシャンパーニュの「シャスネ・ダルス」についてお聞きしました。
「シャスネ・ダルスは、CM( コーポラティブ マニピュラン)。シャンパーニュ生産者の協同組合で造られているシャンパーニュ生産者です。」
日本ではイメージが弱い部分があるCMですが、“シャスネ・ダルスは通常のCMではない”とアルノー氏は語ります。
「シャスネ・ダルスは、約130栽培農家が集まっているCMで創業当時から70%以上が続いている歴史ある生産者です。一般的なCMの場合、どこで造られたブドウを使用しているのかわからないわけですが、同社の場合はその出自が全てわかります。ある意味で、RM(レコルタンマニピュラン)の集合体…『メゾン・ド・レコルタン(RMの家)』のようなところがあるのです。」とアルノー氏。
しかしRMのような小規模な生産者ではないため、毎年安定的に生産量と品質を保つことができるのもシャスネ・ダルスの魅力と言います。

「通常のRMは、所有する自社畑が2、3ha。ヴィンテージによって、毎年の品質に差が出てしまいます。しかし、シャスネ・ダルスは自社畑が350haあり、さらにブドウの出自が全てわかっている。そして醸造責任者はウイスキーのブレンダーのようにシャスネ・ダルスの品質のゴールを理解しているため、安定した品質と供給量が確保できるのです。」
生産者同士で資金を集めてシャンパーニュ最大規模の醸造設備を設立するなど、シャスネ・ダルスは私たちが想像するCMの域を遥に超えた存在。
「10年弱、私はポメリージャパンでシャンパーニュに携わってきました。そんな私にとってシャスネ・ダルスはベストなシャンパーニュと自信を持って言えます。」とアルノー氏。
とても真面目な生産者たちが多く、日本への輸出に弱かったというシャスネ・ダルス。 “アートビズに託してます”と、アルノー氏も同社に期待をよせていました。

